☆鋼殻都市レギオス 第九巻 雨木シュウスケ 富士見書房 二〇〇九年六月十九日
(ストーリー)
狼面衆と対立するディックは、グレンダンの奥に秘められた秘密を探ろうとするが失敗する。一方、レイフォンの幼なじみ、リーリンは、養父から預けられた鋼金剛(ダイト)をレイフォンに渡そうとして、拒否されてしまう。いったい、レイフォンはどういうつもりなのか。
そんななか、再び都市との戦争になるツェルニ。そのタイミングで汚染獣が現れるわ、狼面衆が現れるわ、ツェルニは今までにない危機を迎える。
(書評)
全体的に、まとまりを欠いているような気がします。
あまりにも、詰め込みすぎなんじゃないかなっていう気がするんですねえ。。。
まず、この本で何が言いたいのか、よくわからない。
水着シーンがあるので、男の子的には満足できる部分もあるでしょうが、わたしはそれ以外はよくわかりませんでした。
主眼がレイフォンの心の変化にあるんだろうな、とは思うんだけど、そのわりにはそれに割かれたページ数があまり多くない。
戦いがいやでツェルニにやってきたレイフォンが、結局ニーナに影響を受ける形で戦いに進んで赴くようになっていく、しかし一方で、昔の故郷、グレンダンでの事件がレイフォンにこだわりがある。そのこだわりを、リーリンが解きに来るが、いったんレイフォンはその事実を拒否する。
それで、なぜ、ということが主体になるんですが、そのわりには、冒頭は天剣授受者の受難の話だったりするし、受け取るまでのレイフォンの気持ちについては、ほとんど触れておらず、誰が主役なんだよっという雰囲気がしないでもないんですよねえ……。
もうちょっと、レイフォンの心の動きとかが知りたいなと思います。
それと、ツェルニが次々と受難に陥るわけですが、レイフォンと戦いたがっていたサヴァリスが、なぜレイフォンとともに汚染獣と戦うのか、よくわからないんですよね……。
レイフォンを倒したいんだったら、汚染獣と戦ってるときのレイフォンを倒すのが一番じゃないかと思うのですが。
やはり、サヴァリスは戦闘狂だから、なのかなあ。
今回は、印象に残るシーンがなくて、引用もできません。
「これは面白い」「こんなかっこいい台詞がある」といったものがあれば書けるんですが、前に書いたとおり、この話はまとまりがないので、抜き書きしても意味がないんですよね。全体を示すシーンがないんで。
まあ、予測不能な本ではあったのですが、もうちょっとなんとかならないものかと思いました。ちょっとオタクすぎる本でした。

